美しさのためにリアサスペンションさえも隠したハーレー
1950年代になると、フロントに加えリアサスペンションも標準化され始めます。
多くのメーカーがそうであったように、ハーレーにおいてもリアタイヤの
側面左右に1本ずつリアサスペンションを施したモデルを発売し始めました。
ところが、です。
固定位置から縮んで作用するのではなく伸びて作用するハーレー独自のリアサスペンションです。
80年代になって、せっかくの
リアサスペンションを取り払うカスタムが大流行しました。
リアサスペンションが無いと言うのは、私たちが想像するに
相当ハードな乗り心地を覚悟しなくてはならないカスタムですよね。
でも当時は、乗り心地そのものよりも、カッコ良さが重視されたのです。
リアサスペンションを取り払った
フレームは美しい、カッコいい、という訳です。
このようなニーズ、トレンドをハーレーは実に
ハーレーらしい方法で解決し、ユーザーに新しいモデルを提案します。
それがソフテイル。
1950年代とは違い技術が進化した80年代にあって、いくら流行っているからと言って
リアサスの無いハーレーを売り出すのは芸がない、と考えたのでしょう。
発売されたソフテイルは、リアサスペンションを
見えないようにトランスミッションの真下に隠したのです。
これは、狭い場所でしっかりと緩衝性能を果たすために開発されたトーションバーというリアサスペンションのおかげでした。
さすがハーレー。
美しいラインでありながら、
サスペンションが見えず、快適性にもすぐれている。
まさに他社には見られないハーレーらしいサスペンションと言う事ができます。
(トーションバーの画像引用先;ハーレーダビッドソンの世界 (平凡社新書)P164)