Fヘッド (1909~28年) Vツインエンジンの始まり
Fヘッド (1909~28年)
ハーレーダビッドソンの代名詞とも言えるVツインエンジン。
そのエンジンの継承と、100年にわたる進化を見ると、一貫して変わらないもの、臨機応変にユーザーのニーズに応えてきたものが見えてきます。
Vツインエンジンが生まれたのは創業間もない1905年のこと。
モデル5-Dに搭載された50キュービックインチのエンジンでした。
キュービックインチとはエンジンの大きさを表す単位で、
50キュービックインチは約820ccのエンジンを意味します。
ちなみに「ツインカム88」は88キュービックインチ、つまり1450ccとなります。
この5-Dは欠陥が多く、わずが27台生産されただけとなりました。
しかし当時のアメリカ最大となる7馬力を出し、この当時からエンジンにおいては
ハーレーが他社を圧倒していたのです。
5-Dの欠陥を見直して1911年にはモデル7-Dを発売したハーレー。
Fヘッド・Vツインモデルと呼ばれたこのモデルは、発電用のマグネートを
エンジンの後ろに移動させるなど、5-Dの主たる欠陥であったエンジンと
電装系の改良を施した渾身の1台でした。
独特の排気音とエンジン振動は長くハーレーファンに愛されて続けていますが、
道路の整備や速度規制の緩和などを受け、ファンのニーズは「モアパワー」へと
シフトし続けてきたのも事実。
ハーレーらしさを残しながら確実に進化してきたエンジンの歴史は、
サイドバルブ・エンジンへと続きます。
(Fヘッドの画像引用先;ハーレーダビッドソンの世界 (平凡社新書)P137)