ツインカム88(1999~2006) エンジンカスタムを先導したOHV
ツインカム88(1999~2006)
第四世代OHV方式であるエボリューション。
90年代ハーレーブームの立役者となったこのエンジンは、現在の日本中古車市場でも人気のエンジンです。
1984年の発売以降、1999年までの15年間、新しいエンジンが発売されなかったことからも、その人気は伺えます。
またもう一方で、ハーレーダビッドソンという
企業のエンジンにかける情熱も感じられる15年と言えます。
ハーレーブームの本質やモーターサイクルを取り巻く規制環境、
ユーザーの広がりと言った要素を慎重に見極め、完成形とも
言えるエンジンの開発に要していた15年とも言えるのです。
満を持して発売された新型エンジンの名は、ツインカム88。
ワンカム構造をやめ、2本にするという大改革を行ったエンジンでした。
ワンカムのままで出力をあげるにはクランクケースが大きくなってしまうため、カムを前後に振り分け、チェーンで駆動させるという画期的なアイディアの集大成でした。
排気量は1450ccへと拡大され、
長距離走行時の無駄な振動も軽減され快適性も増しました。
このツインカム88が生まれた背景にはまず、
ハーレーブームの実態がカスタムブームであったことがあげられます。
純正品をしのぐ大排気量ツインエンジンが数多く発売され、多くのユーザーがエンジンカスタムに夢中になっていました。
また、ハイウェイの制限速度が引き上げられ高速化・長距離化が進んでもいました。
ツインカム88は21世紀になっても
新モデルが発売されるほどの安定した実力と人気を誇っています。
(ツインカム88の画像引用先;ハーレーダビッドソンの世界 (平凡社新書)P149)