ハーレーダビッドソンの歴史はVツインエンジンから
ハーレーダビッドソンがアメリカのミルウォーキーで産声をあげた20世紀初頭。
自動車においては、GMつまりゼネラルモーターが創立した時期とも重なります。
この頃、自動車の世界は蒸気からガソリンへと一気に変革が進み、日々新しい技術やエンジンの開発が行われていました。
二輪車についても同様で、創業期のハーレーダビッドソンを悩ませたものは、各社が次々と発表する新型エンジンをめぐる競争でした。
1906年時点のハーレーは、シングルエンジンのバイクのみを販売していました。
一方で競合他社はツインエンジンモデルを次々と発表。
中でも、最大のライバル企業インディアン・モーターサイクルが発売したツインエンジンのバイクは、サンディエゴからニューヨークまでの4800kmを11日と12時間で走破し、当時としては画期的な速さ、安定感だと評価されていました。
ハーレーはこれらの流れから一歩遅れて、1909年になりやっとツインエンジンのモデルを発売します。
しかし、排気と吸気のバランスが悪く、本来のパワーを発揮できないモデルとなってしまったことから改良を重ね、1911年になってやっと、今も受け継がれるハーレーVツインエンジンと呼ばれるエンジンの完成を見ます。
現在も、このVツインは各モデルに継承され、ハーレーの代名詞とも言えるエンジンになりました。
大学で自動車工学を学びながら、ハーレーのエンジン開発を続けた、創業者の一人ウィリアム・S・ハーレーの情熱の賜物と言えるエンジンです。