ショペルヘッド(1966~84) AMF時代のハーレーを代表するエンジン
ショペルヘッド(1966~84)
ナックルヘッド、パンヘッドと
進化してきたハーレーのOHVエンジン。
その第三世代となるのがショベルヘッドです。
名前の由来はプッシュロッドとヘッドカバーの
組み合わせが大きなショベルのように見えたから。
余談になりますが、ナックルは握りこぶし、パンヘッドは
フライパンですから、ハーレーのエンジンやモデルに
付けられる愛称は「視覚的なキーワード」が本当に多いですね。
さて、ショベルヘッドの発売は1966年です。
黄金の50年代と呼ばれた好景気から一転、キューバ危機、
ケネディ暗殺、ベトナム戦争のドロ沼化などによる
不景気でアメリカ経済が喘いでいた最中でした。
ことモーターサイクル業界においては日本メーカーの台頭もあって、
ハーレー他、多くのメーカーが苦境に立たされました。
故障が少なく、高出力で高性能、さらに安価なバイクが景気低迷に喘ぐ
多くのアメリカ人から支持されるのに、長い時間を要さなかったのです。
ショベルヘッドは1950年代からスポーツスターに採用されていた
エンジンを改良してビッグツインに搭載されたエンジンで、
台頭目覚ましい日本メーカーへの対抗策であったとも伝えられています。
結果は、美しいエンジンの造型やハーレーらしい強烈な
エンジンの鼓動感などから今も人気のエンジンとして愛されていますが、
当時は爆発的ヒットとはいきませんでした。
ショベルヘッドをもってしても、経営危機に陥っていた
ハーレーダビッドソンの救世主とはなりえず、
1969年AMFに買収される事態になるのです。
(ショペルヘッドの画像引用先;ハーレーダビッドソンの世界 (平凡社新書)P145)