エボリューション(1984~99) 「進化」と名付けられたエンジン
エボリューション(1984~99)
ハーレーのOHV方式エンジンは、初代のナックルヘッドに始まり、パンヘッド、ショベルヘッドと継承され、ついに第4世代として登場したのがエボリューションです。
握りこぶしだの、
フライパンだの、
ショベルだのと、見た目のキーワードが続いたOHV。
ここにきてついに、強いメッセージ、メーカーとしての
意気込みを感じさせる
「エボリューション=進化」と名付けられたのには、
理由がありました。
それは、まさにハーレーのエンジンの進化だったのです。
最大の進化は、品質でした。
1966年に発売した第3世代OHVショベルヘッドは、
性能において日本製のエンジンの足元にも及ばないものでした。
「ハーレーは重くて遅い。しかも壊れる」という
印象を多くの人々に与えてしまったのです。
バイクに関する知識のある人なら気にならないでしょうし、
「手間のかかる分、愛着がわく」という効果もあったのでしょうが、
それだけでは市場のパイが小さすぎます。
ですから、AMFからの独立を果たし再出発したハーレーが最初に取り組んだのは、徹底した生産管理と高品質、メンテナンスフリーなエンジンの開発でした。
エボリューションはエンジンの出力面の向上はもちろんですが、
品質の向上にこそ最大の特徴があります。
購入者の信頼を裏切らないハーレーらしい力強さと、
メンテナンスフリーの実現により、一般ユーザーでも
安心して乗り回せる初めてのハーレーの誕生はとなったのです。
この後、世界規模のハーレーブームが起こったのは誰もが知る所です。
(エボリューションの画像引用先;ハーレーダビッドソンの世界 (平凡社新書)P147)